What's Bibendum?


以下はオリィヴィエ・ダルモン著「ビバンダムの偉大なる世紀」他関連書籍の内容を参考に記載しています。
なお、ビバンダムについては以下の公式MICHELINのサイトも参照ください。
http://www.michelin.co.jp/monde/p1.htm

「ビバンダム誕生秘話」
オ・ギャロが書いた最初のNUNC EST BIBENDUMはミュンヘンのビール会社のために描かれたポスターだったそうです。が、幸か不幸かビール会社には採用されず、その後、この原画を見たアンドレ・ミシュランがオ・ギャロにジョッキを釘やガラスの破片が山盛りになった杯に、布袋腹の男をタイヤ男に変更させ1998年4月にビバンダムの原型となるポスターが完成しました。なお、「Nunc est bibendum(今こそ飲み乾すとき)」とはエピクロス派のローマ詩人ホラティウスの一節とされているが、紀元前31年にギリシャのアクティウムの海戦でクレオパトラとともに戦ったローマ政治家マルクス・アントニウスの言葉とされているようです。(日本語版掲載ページ:P22〜23)
これらが有名なオ・ギャロの初期のポスターです。

  
「彼は1921年からタイヤを転がし続けている!」
タイヤを転がしている姿のビバンダムの看板は有名!
1921年に描かれたGrand Aigleのポスターがルーツになっているようです。
「1923年以降ビブを構成するタイヤの数は26本?」
各年代のビバンダムを実際に数えてみました。
こちらのページを参照下さい。
「ビバンダムのチョコレート??」
1927年以降にトブラー社による「最高級チョコレート」ビバンダム・チョコレートなるものが大ヒットしたそうです。その他に空気ポンプ・パイプ、カップ、ナイフ、スプーン、石鹸、インク壷、ペンなどあらゆるビバンダムを象った製品が世に出ているそうです。しかし、不正競争としての勧告がおり、1930年には地図とガイドブック以外の付随活動をやめたそうです。(P63)
トブラー社はスイスのチョコレート会社のようです。どんな味がしたのか、またどんな形だったのか興味有りです。ここに書かれている事が本当だとすると、1930以降から1950年代はあまりビバンダム関連グッズが作成されていないことになりますが、真相はどうなのでしょう?、、、
「コンプレッサーにはそれぞれ商品名が、」
1929年にタイヤポンプが発売。工場用のものは「フォルス(力)」、個人用は「リュミエール(光)」と命名され商業化されたそうです。(P78)


(コンプレッサーにはもうひとつ小型の物が存在しますが、商用化される前のプロトタイプということになるのでしょうか?)
“Force” と “Lumiere”
     
「窮地のビブを救ったアポロ11号」
1950~60年代はじめはタイヤの需要と供給の関係からMICHELIN社は広告活動を控えめにせざる得ない状況下にあり、また、消費者からはビバンダムは古くさい、時代遅れといわれ、一時期はキャラクターとして消滅してしまうのではと思われる時期があったそうです。しかし、この危機を救ったのは、1969年の7月21日のアポロ11号のニュースでした。月面を無重力状態で移動する宇宙飛行士の映像はまさしくビバンダムそのものであり、TVニュースのアナウンサーが「まるでビバンダムのようだ!」と発言したことで、再びビブの時代がやってくることになります。(P109)
アポロ11号で月面着陸した時の画像です。
        
「ビバンダム海岸で大活躍!!」
1963年以降ビバンダムは夏のバカンスにミシュランの宣伝カーで大西洋岸の40箇所以上の海水浴場を訪れゲームなどの各種イベントを行っていた、また子供たちには立体パズルをくばり、子供たちはバラバラのビバンダムを組み立てるのに夢中になっていたとか。(P112)

(ちなみにこのビーチゲームは1980年まで行われていたようです。)
右の写真では子供達がマンドリンのパズルを持っています。
  
(偉大なる世紀に掲載されていた写真より引用)

「BIB-Camion(カミオン)の大流行!!」
1970年以降、トラックのドライバーの間で、フロントグリルやルーフなどに守り神としてビバンダム取り付けられる事が流行していたそうです。
100周年記念のビデオでコンラン卿が以下の話を語ってました。
「あるトラックの運転手が、山奥でエンジントラブルにあい、隣街まで歩いて修理士を呼んで戻ってくるまでには、盗賊にあってトラックは影も形も無くなっているのではと心配したが、修理士を連れその場所に戻ってみると、トラックは何ひとつ盗まれておらずそのままの状態であった。「こんなことってあるのか?」と思わず叫んだ運転手に「あなたの車にはビバンダムが付いているではないですか、ビバンダムが魔物からあなたのトラックをを守ってくれたのです。」と修理士がいったとか、、、、」
この話しが元になっているかどうかはわかりませんが、ビバンダムは今でも守り神としてトラックドライバーに愛されているようです。

しかし、オランダの高速道路で突然走行中のトラックからビバンダムが落ちて、後続車のフロントガラスにぶつかったというニュースもありました。
現場から持ち帰ったビバンダムを調査すると偽者で固定金具部が規定外のものであったそうです。それを受けMICHELIN社は、偽者を制圧するため、正規のビバンダムを有料で売ることになったとの事です。(P120)

様々な彩色を施されトラックに取り付けられていたビバンダム



(偉大なる世紀に掲載されていた写真より引用)
「ビバンダムの貯金箱」
1970年代、英国ではMICHELIN工場の従業員に子供が生まれ時に、男の子には青色の貯金箱、女の子にはピンクの貯金箱が記念品として支給されました。
見ての通り、四角い箱にベークライト灰皿のビブを座らせた物ですが、子供の玩具となっていることから現存する数は少ないようです。
これは女の子用のピンクです
「世界中にビブコレクターが!!」
コレクターの間では、偽ビバンダムも含め、数々のビバンダムを集めだすようになり、1980年代から2000年にかけその価格は10倍以上になっているとの事です。 (特に100周年にあたる1998年はアンティークビバンダムの価格はピークに達していました。) なお、ビバンダムのコレクターはフランス・日本・アメリカに多いといわれているようです。(P120)
1989年に100歳になったビバンダム、
日本においても盛大に誕生パーティが開催されました。
「ビバンダムのかぶり物」
イベント等で使われるビバンダムのかぶり物は全てMICHELINの所有となっており厳重に管理されているそうです、以前60年前のかぶり物が英国のマーケットで売り出されたことがあったが、MICHELIN社は売主を訴えて、法廷闘争の末、取り戻したことがあったそうです。

「MICHELIN社のロゴ」 
MICHELIN 社はトレードマークやロゴの所有権に関してとてもシビアな企業で、名刺にビバンダムのロゴを入れていたコレクターに対し、ロゴを消すように抗議文を送った事があるそうです。ところが、それを受け取ったコレクターはMICHELIN社からの正式文書であったため、額にいてれて飾っているとの事です。この話しはコレクターの方が役者が一枚上手だったとの落ちがついています。
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